著者
石塚 勝美 Katsumi Ishizuka
巻号頁・発行日
no.5, pp.11-30, 2007-03-31

この論文は、1978 年以来南レバノンに駐留してきた国連レバノン暫定軍(United Nations Interim Force in Lebanon: UNIFIL)の設立初期の活動状況について論じている。UNIFILは、その活動の基準となった国連安全保障理事会決議425 に記された3つのマンデートを遂行することはできなかった。それは、国連PKOを行うために本来備わっているべき諸条件が満たされていなかったからである。イスラエルは、その後も4度にわたりUNIFILを無視した形で、PLOやヒズボラ等、南レバノン駐留の武装勢力に軍事侵攻を行っている。UNIFIL初期の活動状況の未熟さがそれ以降のイスラエルの横暴振りを許している結果になってしまっていると考えられる。UNIFILの事例をとっても、今後の国連PKO は、さらに強健なものになっていくべきであろう。

言及状況

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こんな論文どうですか? 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の歴史的な分析 : その初期の活動状況と現在のレバノン情勢の関係について(石塚 勝美ほか),2007 https://t.co/NxhaXHw61A この論文は、1978 年以来南レバノンに…

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