著者
佐原 玉恵
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.132-141, 2007-04
被引用文献数
1

本研究の目的は高校生の性に関する知識,価値観,行動について分析し四国A県の高校生の性の実態を調査することである。四国A県の高校6校に通学する高校生630名を対象に性交,避妊法,妊娠,人工妊娠中絶,性感染症についてアンケート調査を実施し565名から回答を得た。四国A県の高校生の性の実態調査の結果,知識面の特徴は,1.性に関する基礎的な知識が不足していた。価値観の特徴は,2.性交については全体の約6割の人が容認していた。3.人工妊娠中絶について全体の約8割が否定的な意見であった。行動の特徴は,4.女子の性交率は全国平均よりも高く,避妊率は低い結果であり,全国平均に比して女子は性行動が活発であるという特徴が示された。知識,価値観,行動の関係の特徴は,8.性に関する価値観と行動にはずれが生じていた。9.コンドームの使用法の知識について男女間の差はみられなかったがコンドームでの避妊の実施率は男子より女子が有意に低かった。以上のことより,性に関する基礎的知識の教育,女子に対する避妊法,避妊することを要求できる行動の教育が必要であると考えられた。

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