- 出版者
- 社団法人日本気象学会
- 雑誌
- 天気 (ISSN:05460921)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.5, pp.466-468, 2007-05-31
平成18年の梅雨入りは九州南部と東北南部を除いて平年より遅く,梅雨明けは南西諸島を除いて遅かった.梅雨前線は,6月前半は南西諸島から日本の南海上に位置することが多く,活動が活発だったが,下旬には西日本に停滞することが多くなった.7月に入ると,梅雨前線は本州上に停滞することが多かった.特に,7月15日から24日にかけては活動が非常に活発となり,九州から本州にかけての広い範囲で豪雨となり,甚大な被害が発生した.気象庁は,7月15日から24日に発生した豪雨について,「平成18年7月豪雨」と命名した.梅雨時期の降水量は,東北北部を除いて平年よりも多かった.5月下旬から6月中旬にかけては,活動が活発な梅雨前線の影響を受けた南西諸島で降水量が多くなり,奄美地方では梅雨時期の降水量がかなり多くなった.また, 7月は本州付近で前線の活動が活発となったために,西日本から東日本,東北南部で降水量が平年よりかなり多くなった地域があり,平成18年7月豪雨が発生し,記録的な大雨となったところがあった.一方,東北北部では,6月から7月の降水量が平年の8割程度となった.