- 著者
-
原 貴洋
手塚 隆久
松井 勝弘
- 出版者
- 日本作物学会
- 雑誌
- 日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
- 巻号頁・発行日
- vol.76, no.3, pp.459-463, 2007-07-05
- 被引用文献数
-
1
2
中国30点,韓国30点,日本7点の計67点のハトムギ遺伝資源を熊本県の九州沖縄農業研究センター圃場で5月下旬に播種,栽培し,成熟期に形態的形質を調査した.韓国品種の形態的形質は日本品種に似ていたが,韓国品種の着粒層は日本品種より狭く,韓国品種には草丈が小さい品種が認められ,機械収穫適性を改良する素材として期待できた.中国品種は,草丈,主稈葉数,稈径,着粒層,葉長,葉幅で大きな値を示し,飼料用ハトムギの改良に有望と考えられた.各形質値の間の相関関係が高かったことから主成分分析を行った.第1主成分は草丈,稈径,主稈葉数,着粒層,葉長,葉幅の植物体の大きさを表す形質との相関が高かった.第2主成分は着粒層との相関が高く,植物体の形を表していると考えられ,中国品種,韓国品種は日本品種より分布域が広かった.以上のことから,韓国,中国品種はともに,わが国ハトムギの草型の変異拡大に寄与すると考えられた.