著者
菅原 良子
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.103-110, 2005-03-31

これまでの社会教育史研究において戦前・戦中期の研究は長野県を中心とした農村が主な対象とされてきた。他方、近年の都市史研究では日本近代都市の支配構造について、地域組織やその担い手の視点からの解明が行われてきた。しかし、それらの研究は、1920年代までの大都市が中心であり、戦時体制に組み込まれていく1930年代の研究や、地方の小都市を対象とした研究はごくわずかである。本稿は、北海道函館市を対象として、1920年代において衛生組合を基盤に組織化された函館市の青年団が、1930年代に入りその時期に噴出する都市問題の中でも特に大きな問題であった「水電問題」と「大火災」にどのように対応したかについて、その活動の展開を追う中で、当時の青年団の都市における位置づけと役割を明らかにしようとしたものである。その際、当時地域秩序を維持する上で大きな役割を果たした地域組織である衛生組合との関連もふまえながらその活動展開を考察する中で、1930年代の「地方」都市においては、青年団が衛生組合の補完的な役割を担うことにより地域支配が保たれていたことを明らかにした。

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編集者: Benichan
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