著者
福留 範昭 亘 明志 Noriaki Fukudome Watari Akeshi 強制動員真相究明ネットワーク事務局 長崎ウエスレヤン大学 現代社会学部 社会福祉学科
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.17-25,

本稿_<(1)>では、朝鮮人強制労働被害者の遺骨問題を、「記憶」と「記録」をキーワードにして社会運動論的観点から考察している。韓国では、「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会」が設立され、強制動員真相究明の事業が開始された。その一環として、強制動員被害者の遺骨の収集と返還の活動がある。日本政府は、日本に残された強制動員被害者の遺骨の調査と返還に協力を約束した。本稿では、先ず日韓政府によって60年間放置されてきた遺骨に対する事業が始まった経緯を概観した。そして、日本政府が行っている遺骨調査の進展状況を眺め、調査の問題点を指摘した。さらに、この遺骨調査の持つ意味を踏まえ、調査が実りあるものになるために、何が必要であるかを考察した。
著者
佐藤 快信 Yoshinobu Sato 長崎ウエスレヤン大学現代社会学部福祉コミュニティ学科 Faculty of Contemporary Social Studies Nagasaki Wesleyan University
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-7,

これまでの地域づくりにおける課題として,行政主導によって策定され住民などの意思の反映が充分でなかったこと,生活空間と策定される圏域のずれが生じてきていることなどをあげ,今後の地域づくりでは,地域特性を生かしながら地域間の連携が効果的であり,基盤整備を充分おこなうことと並行して地域連携を活かした活性化を図る方向性を示した。そうしたなかで,地域資源を如何に活用するかという連携を含めた視点からエコミュージアムの手法が有効であることを示唆し,今後の地域づくりの改革の方向性として重要と考えられる指標の意義とその方向性について,アウトカム指標の導入と住民参画の必要性を示した。
著者
菅原 良子
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.103-110, 2005-03-31

これまでの社会教育史研究において戦前・戦中期の研究は長野県を中心とした農村が主な対象とされてきた。他方、近年の都市史研究では日本近代都市の支配構造について、地域組織やその担い手の視点からの解明が行われてきた。しかし、それらの研究は、1920年代までの大都市が中心であり、戦時体制に組み込まれていく1930年代の研究や、地方の小都市を対象とした研究はごくわずかである。本稿は、北海道函館市を対象として、1920年代において衛生組合を基盤に組織化された函館市の青年団が、1930年代に入りその時期に噴出する都市問題の中でも特に大きな問題であった「水電問題」と「大火災」にどのように対応したかについて、その活動の展開を追う中で、当時の青年団の都市における位置づけと役割を明らかにしようとしたものである。その際、当時地域秩序を維持する上で大きな役割を果たした地域組織である衛生組合との関連もふまえながらその活動展開を考察する中で、1930年代の「地方」都市においては、青年団が衛生組合の補完的な役割を担うことにより地域支配が保たれていたことを明らかにした。
著者
福留 範昭 亘 明志 Noriaki Fukudome Watari Akeshi 強制動員真相究明ネットワーク事務局 長崎ウエスレヤン大学現代社会学部社会福祉学科 Faculty of Contemporary Social Studies Nagasaki Wesleyan University
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.17-23,

本稿は、朝鮮人強制動員犠牲者の遺骨およびその返還に関し、主として実地調査および社会運動への参与観察に基づく考察である。現在、日韓政府によって強制動員犠牲者の遺骨返還事業が行われている。しかし、「民間徴用者」の遺骨の返還に関しては、いまだ具体的な方針が立てられておらず遺骨の確認や収集に困難が予想される。戦後60年以上経た現在、記録や人びとの記憶が喪失されつつあり、強制動員犠牲者の遺骨の確認が難しいからである。本稿では、遺骨を探す韓国の遺族の状況(第二節)、日本に残されている強制動員犠牲者の遺骨の実態や遺骨の調査・発掘について考察した(第三節)。そしてこれらを踏まえ、日韓の遺骨返還事業を意味あるものにするために、問題点を指摘した(第四節)。
著者
福留 範昭 亘 明志 Noriaki Fukudome Watari Akeshi 長崎ウエスレヤン大学現代社会学部福祉コミュニティ学科 長崎ウエスレヤン大学現代社会学部福祉コミュニティ学科 Faculty of Contemporary Social Studies Nagasaki Wesleyan University Faculty of Contemporary Social Studies Nagasaki Wesleyan University
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.33-39,

本稿では、戦前日本に在住した朝鮮人の遺骨の問題を、壱岐の芦辺町の遺骨を中心に論述する。本研究の目的は、遺骨を通し共同体における言説と社会意識を分析すること、および遺骨をめぐる事象を戦後補償運動との関連で分析することにある。本稿(研究I)では、これらの研究目的のための基礎的部分を構成する事実関係を整理することを目指した。その内容は、(1)敗戦直後における朝鮮人の帰国の状況、(2)壱岐における帰国船の海難事故、(3)芦辺町の遺骨をめぐる経緯、(4)芦辺町の遺骨に関する問題点である。本稿は研究IIに継続される。本稿は研究IIに継続される。