- 著者
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相墨 一彦
- 出版者
- 一宮女子短期大学
- 雑誌
- 一宮女子短期大学紀要 (ISSN:1349936X)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, pp.221-224, 2006-12-21
現在スイーツと呼ばれる洋菓子が一般的な若年層に受け入れられている。そしてファミリーレストランやコンビニエンスストアーのデザートコーナーに並べられているスイーツは、以前とは比べ物にならないほど品揃えが豊富である。けれどもそれらは香りも少なく、食感もただ軟らかく、甘さも薄く控えめなものばかりである。この傾向は、コンビニエンスストアーのデザートだけでなく洋菓子全般にも言えるのではないだろうか。そしてその様な菓子をおいしいと感じ、好んで食べて育ってきた今の学生にとって、全く逆のものであると言っても過言ではない本場フランスの洋菓子を学んだところで、素直に受け入れられるであろうか。製菓クリエートコースに入学し、様々な菓子作りを学んできたところで、また入学以前に比べて洋菓子専門店のケーキを食べる機会がより多くなった今、各人の好みがどの様に変化してきたかを調査してみた。その結果、焼成した小麦粉の味、バターの風味、生地の食感等、僅かながら素材本来の味覚に対して興味を示すような嗜好の変化がみられた。そこで本論においては製菓実習の授業を通して、学生が将来に向けて自分の味感覚をどのように鍛え、如何に確立していくか明らかにしていきたい。