著者
須藤 秀夫
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.133-149, 2007-02-28

グローバリゼーションの担い手として、多国籍企業、マネー、国際経済機関、および移動する人々が挙げられる。このうち最も影響力のある多国籍企業を採り上げ、その功罪を考察する。多国籍企業がホスト国(進出先国)に与えるデメリットとして、資源・労働力・伝統的知識の「搾取」、地元企業へのダメージ、所得格差、地元文化の破壊といった問題が挙げられる。グローバルな問題としては、所得格差、環境悪化、高コストが挙げられる。一方、ホスト国に与えるメリットとして、雇用、輸出、資本、技術があり、グローバルなメリットとして、情報伝達への寄与が挙げられる。多国籍企業はまだいくつかの問題を生じさせているものの、改善の方向に向かっている部分もあり、また、多国籍企業の与えるメリットをうまく捉えて経済発展につなげているアジアの国々などが示す通り、メリットの実現がホスト国に大きなプラスのインパクトを与える。多くの国々の政府が多国籍企業を総合的にプラスと認識するようになっており、従来の警戒感から歓迎する姿勢に切り替わっている。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

Wikipedia (1 pages, 1 posts, 1 contributors)

収集済み URL リスト