著者
石井 龍太
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部考古学研究室
雑誌
東京大学考古学研究室研究紀要 (ISSN:02873850)
巻号頁・発行日
no.21, pp.133-145, 2007-03-20

琉球王国が主に近世期に生産し消費した琉球近世瓦,そのうち石垣島で生産,消費されたものを集成し分類するのが本稿の目的である。先ず呼称や分類について一定の方式を提案したい。琉球近世瓦については筆者のものを含め既に幾つか論考があるが,本稿では昨年度に筆者が示した基準に従い,諸特徴と瓦当紋様に注目して分類を試みた。沖縄本島の琉球近世瓦の瓦当紋様において,その大半のモチーフは牡丹である。そしてこれら牡丹紋様は大まかに五つに分けることが出来る。この分類を適用すると石垣島には牡丹紋様IIと分類した紋様系統が存在し,沖縄本島とは異なる独自の変遷を辿る。各々の系統毎に子房,花弁,さらに軒平瓦に置いては左右に大きく表現される葉を主要素としてその変遷を追い,型式学的分類を試みた。さらに葺き方に関する特徴,流儀に関する特徴を明らかにし,沖縄本島との共通点,相違点に注意しつつ分類を試みた。

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