著者
石井 龍太
出版者
城西大学経営学部
雑誌
城西大学経営紀要 (ISSN:18801536)
巻号頁・発行日
no.14, pp.81-102, 2018-03

地域キャラクターの一類型であるローカルヒーローにおいて,「コラボ」と呼ばれる活動が近年増加している。これらは大きく「コラボイベント」と「コラボショー」に分類される。コラボイベントはローカルヒーローの活動が発展した2000年代に登場し,その隆盛と共に推移し,ローカルヒーローが地域の催事の一演目からイベントの主催者へも転換する大きな意味を持っている。コラボショーは,多くの団体が共通して抱える人手や経済的課題を解決する術としても機能している。また両者はファンやマスコミの注目を集め,さらに団体間の交流の場として機能する等,様々な役割を果たしていることが確認された。Collaboration activities of the "Local Hero" that is one of local character contents are increasing recently. The activities are largely classified as collaboration events and collaboration shows. Collaboration events appeared in the 2000 s when the Local Heroincreased, and it has been growing with its prosperity. And it has big meaningi n that the local hero organizations convert to the organizer of the event. Collaboration shows also functions as a technique to solve problems in many organizations such as shortage of manpower. .In addition, both Collaboration activities play a variety of roles, such as gathering the attention of fans and of mass communication, and acting as a place of exchange between groups.研究ノート
著者
石井 龍太
出版者
城西大学経営学部
雑誌
城西大学経営紀要 (ISSN:18801536)
巻号頁・発行日
no.11, pp.109-132, 2015-03

「ローカルヒーロー」と呼ばれる活動が日本全国で行われている。本稿ではこれらについて,特に活動内容と運営母体の変化について検討する。ローカルヒーローの活動は,地域振興を目的にボランティアで行われると認識されている。しかし実態は地域色を薄めた「ローカルヒーローの地域離れ」が進行しており,また企業や公共機関が活動母体となる例も増えていることが確認された。ローカルヒーローは変化しており,またテレビ番組の模倣ではない,オリジナリティの模索が開始されていることがうかがえる。 The activities called "Local Hero" are performed at almost of all regions in Japan. I study the changes of these activities in the governing body of staffs and the contents of them. Many "Local Hero" activities are carried out at volunteers, and jobs of them are promotion of locality. But recently they are changed. They are often lost the locality. And recently many companies and government offices are carrying these activities. "Local Hero" activities are stopping the imitation of "Major Hero" of TV programs; they begin to put the originality.研究ノート
著者
石井 龍太
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
周縁の文化交渉学シリーズ6 『周縁と中心の概念で読み解く東アジアの「越・韓・琉」―歴史学・考古学研究からの視座―』
巻号頁・発行日
pp.161-177, 2012-03-01

本稿は琉球諸島の瓦について、考古史料、文献資料に基づき、王権との結び付きと社会認識といった観点から論じるものである。 琉球諸島では瓦は14世紀後半頃には登場していた。発掘調査成果から、グスク時代と近世期以降の大きく二つの時期に分けられ、さらに諸特徴から細分される。またその成立と発展には、韓半島、日本列島、中国大陸部の瓦文化との交渉があったと考えられる。 瓦は沖縄本島南部の首里・那覇を中心とした一帯に偏って分布し、近世期に到っても一般に普及することはなかった。その背景には瓦使用に伴う大きな負担とともに、瓦と王権の結び付きがあったと考えられる。琉球王府は瓦の生産・使用を管理し独占を図っていた。こうした瓦にまつわる制度は瓦の普及を制限し、さらに瓦を巡る思想にも影響していったことだろう。琉球諸島の瓦は、周辺諸地域に見られるような強いメッセージ性を持つものではない。しかし王権と結びつき制度によって管理されたことで、葺かれるだけで所有者の社会的・経済的優位を示す装飾材としての意味合いを強めていった。さらに18世紀後半期を中心に耐火建築材としても注目されていくこととなる。琉球諸島の瓦は、壮麗で頑健な理想的建築物として認識されていたと考えられる。
著者
石井 龍太
出版者
城西大学経営学部
雑誌
城西大学経営紀要 (ISSN:18801536)
巻号頁・発行日
no.15, pp.111-125, 2019-03

地域キャラクターの一類型であるローカルヒーローについて,1980年代以降の歴史的展開について概観した。ローカルヒーローにおける主な特徴として,名称,ステージショー,地域色を取り上げ,それぞれの要素が何時ごろどのように登場し展開したのかを分析した。80年代前半までにこうした特徴は大手テレビヒーローのステージショーや自主制作映画,コスプレイヤーの活動の中で育まれ,2000年代前半までに現在に繋がるローカルヒーロー活動が始まったと考えられる。そして数の急増と共に,2000年代後半以降は多様化し,それまでの概念を覆す活動例が登場して,今日に到ると考えられる。One type of regional character, the"Local Hero" has historically been developed since the 1980s. I analyzed how the various elements of the Local Hero, such as title, stage performance, and way of presenting local color, appeared and developed through time. In doing so, I came to think that these features were first born in the stage versions of the heroes of major television productions, in independent movies, and in cosplay related activities. By the early 2000s, Local Hero performance that connects to the modern phenomenon emerged. Then, in line with the rapid increase in their numbers, the second half of the 2000s saw a diversification of the form, with examples that challenged the concept that had been prevalent to that point emerging, a phenomenon that continues to this day.研究ノート
著者
石井 龍太
出版者
東京大学考古学研究室
雑誌
東京大学考古学研究室研究紀要 (ISSN:02873850)
巻号頁・発行日
no.20, pp.109-148, 2006-03-31

琉球王国が主に近世期に生産し消費した琉球近世瓦,その瓦当紋様を集成,分類するのが本稿の目的である。琉球近世瓦については既に幾つか論考があるが,現時点までに蓄積された資料からして呼称や分類に関し相応しからぬ点がある。先ず先学の諸問題を整理し,呼称や分類について一定の方式を提案したい。琉球近世瓦の瓦当紋様において,その大半のモチーフは牡丹である。そしてこれら牡丹紋様は大まかに五つに分けることが出来る。各々の系統毎に子房,花弁,さらに軒平瓦に置いては左右に大きく表現される葉を主要素としてその変遷を追い,型式学的分類を試みた。
著者
石井 龍太
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部考古学研究室
雑誌
東京大学考古学研究室研究紀要 (ISSN:02873850)
巻号頁・発行日
no.21, pp.133-145, 2007-03-20

琉球王国が主に近世期に生産し消費した琉球近世瓦,そのうち石垣島で生産,消費されたものを集成し分類するのが本稿の目的である。先ず呼称や分類について一定の方式を提案したい。琉球近世瓦については筆者のものを含め既に幾つか論考があるが,本稿では昨年度に筆者が示した基準に従い,諸特徴と瓦当紋様に注目して分類を試みた。沖縄本島の琉球近世瓦の瓦当紋様において,その大半のモチーフは牡丹である。そしてこれら牡丹紋様は大まかに五つに分けることが出来る。この分類を適用すると石垣島には牡丹紋様IIと分類した紋様系統が存在し,沖縄本島とは異なる独自の変遷を辿る。各々の系統毎に子房,花弁,さらに軒平瓦に置いては左右に大きく表現される葉を主要素としてその変遷を追い,型式学的分類を試みた。さらに葺き方に関する特徴,流儀に関する特徴を明らかにし,沖縄本島との共通点,相違点に注意しつつ分類を試みた。
著者
石井 龍太
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部考古学研究室
雑誌
東京大学考古学研究室研究紀要 (ISSN:02873850)
巻号頁・発行日
no.23, pp.93-117, 2009-03-20

琉球近世瓦は琉球諸島において主に近世期に生産され消費された特徴的な瓦である。そのうち宮古島で出土する資料を対象に集成、分類するのが本稿の目的である。琉球近世瓦については既に幾つか論考があるが、現時点までに蓄積された資料からみると呼称や分類に再考すべき点があると考えている。まず先学の諸問題を整理し、呼称や分類について一定の方式を提案したい。琉球近世瓦の瓦当紋様おいて、その大半のモチーフは牡丹であり、宮古島の琉球近世瓦も例外では無い。子房、花弁、さらに軒平瓦に置いては左右に大きく表現される葉を主要素として分類を試みた。さらには葺き方に関する特徴、製作の流儀に関する特徴を観察、分類し、諸特徴の組み合わせから分類を試みた。また文献史料に見られる宮古島におけるにおける瓦と瓦葺き建築についても合わせて考察した。
著者
石井 龍太
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部考古学研究室
雑誌
東京大学考古学研究室研究紀要 (ISSN:02873850)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.133-145, 2007-03-20

琉球王国が主に近世期に生産し消費した琉球近世瓦,そのうち石垣島で生産,消費されたものを集成し分類するのが本稿の目的である。先ず呼称や分類について一定の方式を提案したい。琉球近世瓦については筆者のものを含め既に幾つか論考があるが,本稿では昨年度に筆者が示した基準に従い,諸特徴と瓦当紋様に注目して分類を試みた。沖縄本島の琉球近世瓦の瓦当紋様において,その大半のモチーフは牡丹である。そしてこれら牡丹紋様は大まかに五つに分けることが出来る。この分類を適用すると石垣島には牡丹紋様IIと分類した紋様系統が存在し,沖縄本島とは異なる独自の変遷を辿る。各々の系統毎に子房,花弁,さらに軒平瓦に置いては左右に大きく表現される葉を主要素としてその変遷を追い,型式学的分類を試みた。さらに葺き方に関する特徴,流儀に関する特徴を明らかにし,沖縄本島との共通点,相違点に注意しつつ分類を試みた。