著者
澤田 均
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.370-375, 1991-01-31

本研究は,ペレニアルライグラスの空中分げつの発生と,その潜在的な散布距離を明らかにすることを目的とした。牛と羊をそれぞれ集約的に放牧管理している草地を調査対象として,1988年と1989年の11月にペレニアルライグラスの空中分げつを調べた。空中分げつは両年とも頻繁に観察された。栄養繁殖体(空中分げつ)をもつ親分げつは,通常,その先端部にただ1個の栄養繁殖体を出現させた。栄養繁殖体の潜在的な散布距離は平均4.5-4.8cm(1988年),3.6-4.2cm(1989年)と短いが,最大値はそれぞれ15.0cm,15.5cmにも達した。栄養繁殖体の密度は空間的に著しく異なり,1988年は0.0-34.4/m^2,1989年は0.0-57.8/m^2であった。空中分げつによる栄養繁殖は,調査したペレニアルライグラス個体群の大きさを維持する上で,意義のあるものと考えられた。

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こんな論文どうですか? 放牧草地におけるペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)の空中分げつ : 潜在的な栄養繁殖経路(澤田均),1991 http://id.CiNii.jp/a3lKL

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