著者
深谷 英則
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.106, no.6, pp.131-176, 2003-03-20

近年,格子カイラルゲージ理論の研究が,大きな進展をみせている。Ginsparg-Wilson関係式とよばれる式を用いたカイラル対称性の再定義により,厳密なカイラル対称性が,連続理論と無矛盾に実現可能だとわかったからである。とはいえ,このことは古典的なレベルでの話であり,量子論として,真にカイラルな理論が構成できるかどうかを知るためには,格子上でのアノマリーを議論しなくてはならない。Luscherは,ゲージ場にある条件(admissibility条件)を課すことによって,アノマリーをコホモロジー的な手法を用いて分類できる可能性を示した。その結果,格子カイラルU(1)理論の定式化に成功した。この論文では,格子カイラルゲージ理論の最近の進展についてまとめた。特に, Luscherのadmissibility条件の果たす役割について注目する。

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@cometscome_phys これにより離散化時空では、素粒子標準模型の一部であるSU(2)カイラルゲージ作用が構成できません(U(1)カイラルゲージ理論の場合は可能です https://t.co/uYYEjDq59S https://t.co/nDJPLB5vMY) 続

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