著者
小見山 隆行
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学論叢. 商学研究 (ISSN:02858932)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.39-63, 2006-12-20

本稿は,江戸時代,明治維新以降の商業教育の生成・変遷を概観し,商業道徳がどのように位置づけられてきたかを検証し考察する。江戸期の商人教育の関わりとして,年季奉公以前の幼少時の「寺子屋」教育と「丁稚奉公」制度,「家憲・家訓」及び「商売往来」の説く商人道,石田梅岩の「石門心学」にみられる商業道徳,近江商人の「三方よし」の思想等について,商業教育と道徳教育の観点から検証を試みた。日本商人観の近世・近代の連続・非連続論,明治維新以降の近代教育と商業学校制度の発達,渋沢栄一の「道徳経済合一説」の説く道徳思想等を分析するともに,戦後の新教育制度における学習指導要領「商業科目」の変遷を概観し,次期改訂への若干の提案とともに,これからの商業教育(ビジネス教育)における新たな使命と役割,商業道徳教育のあり方等について考察した。

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