著者
大竹 茂登 田中 弘敬 宝示戸 貞雄
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.241-246, 0000

オーチャードグラスの育種における早期検定の可能性についての知見を得るため,産地および採種年次を異にするオーチャードグラス4群8品種系統を1967年5月と8月の2回にわたり播種し,それぞれ短日区(自然日長8時間),長日区(自然日長8時間に補助光朝夕4時間ずつを加え計16時間)および対照区について幼苗期の形質発現の調査を行なった。1.幼苗期においても日長効果は大きくあらわれ,長日では葉が伸長するが,出葉間隔および分げつ出現間隔は長くなり,したがって葉数,分げつ数が少なくなった。短日ではその逆であった。しかし地中海産のPortugal2倍体だけはこの傾向がむしろ逆で,短日でもよく伸長する品種である。2.幼苗期の調査項目としては,葉長(または草丈),総葉数,総分げつ数が調査が容易な点からも適当と考えられる。葉幅も日長の影響は少ないが,品種間差は明らかであり,重要である。3.採種年次の古い種子では生育がおとる例が見られ,あらかじめ種子の活力の検査が必要と認められる。4.以上の結果を総括して考えると,幼苗期に一定時間の日長条件を与えることは,品種間差の検出を容易にし,試験の再現性もあるようなので,早期検定の条件として利用できそうである。

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