著者
佐々木 貴宏 所 真理雄
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.717-726, 1997

エージェントが環境に対して適応していく過程には,各個体によって為される「学習」と変異および淘汰によって集団レベルで起こる「進化」の二つの側面があり,それぞれが相補的に作用していると考えられる.本稿では,進化論の歴史に登場するダーウィニズムとラマルキズムに基づく遺伝機構を持つ集団を考え,それぞれの集団が辿る進化的な過程をニューラルネットワークと遺伝的アルゴリズムを用いた抽象的なモデル上で観察する.特に,動的な環境下でのそれぞれの集団の適応性について評価および議論する.その結果,ダーウィン型の集団の方が,静的環境下では効率的なラマルク型の集団よりも,環境の変動に対して安定した挙動を示すばかりでなく,世代を通じて動的環境自体に適応していくことが可能であることを示す.

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これだ: CiNii Articles -  動的環境下における学習と遺伝・進化 : ダーウィニズムとラマルキズムの比較(複雑系5) - http://t.co/WltcRN2c

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