著者
嶋田 徹
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.247-252, 1982-10-28
被引用文献数
4

オーチャードグラスの耐冬性選抜に用いる耐寒性検定法として,MARSHALLがエンバクに用いた冠部凍結法を採りあげ,その有効性ならびに最適な手順を検討した。その結果,本法がオーチャードグラスにも適用できる精度の高い検定法であることを認めた。また検定に際しては次のような手順が最適と考えられた。(1)圃場でハードニングを行う場合,毎年播種期を統一して幼苗の生育程度を整える。本実験では9月1日とした。発芽後間引いて個体を養成し,11月中旬から12月上旬に掘りとり検定する。(2)秋期以外に検定を行う場合,ハードニング装置を用いる。60〜70日苗を3℃,8時間日長で3週間ハードニングするとほぼ圃場並の耐寒性の増大が期待できる。(3)根を冠部の下から約0.5cm,地上部を3〜4cm残して切除し,水洗後アルミホイルに包み,脱気密封する。(4)これを冷凍器(精度±0.5℃)に入れ凍結処理する。凍結時間は16時間とし,材料のハードニング程度を推定して,平均で50%程度の個体生存率が得られるよう凍結温度を決定する。材料の耐寒性程度に大きな変異があるときは,2℃ずつ異なる2〜3水準の凍結温度で処理し,その平均値で評価を行う。処理に際しては,まず2〜4時間材料を0℃に置き,熱平衡に達してから,1時間に20℃の割合で温度を低下させ,所定の温度に16時間置いたのち2℃で解凍する。(5)凍結前に材料を-30℃の冷凍器に2〜3週間保存することができる。その際材料の耐寒性は増大するので留意する。(6)材料を温室のバーミキュライト床に移植,3週間後の発根程度により評価を行う。

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