著者
徳留 真一郎 八木下 剛 羽生 宏人 鈴木 直洋 大毛 康弘 嶋田 徹
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-15, 2008-02

無毒で常温貯蔵可能な液体推進剤として亜酸化窒素(N_2O)/エタノールの組合せに着目し,それによる扱い易い液体推進系の実証研究を進めている.当面の目標として大気吸い込み式極超音速推進系の飛行試験に用いる加速用ロケットエンジンへの適用を目指しているが,その低温環境順応性を活かす衛星・探査機搭載推進系への応用も視野に入れている.これまでに,推力700N級の要素試験供試体を用いた燃焼試験を2シリーズ行って,エンジン噴射器設計のための有用なデータと運用特性を取得してきた.併せて,水冷式燃焼器による燃焼器壁面熱流束分布の測定や厚肉のシリカ繊維強化プラスチックSFRP製燃焼器を用いた燃焼試験によって燃焼器への耐熱複合材料適用の可能性も探っている.
著者
金崎 雅博 千葉 一永 北川 幸樹 嶋田 徹
出版者
進化計算学会
雑誌
進化計算学会論文誌 (ISSN:21857385)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.137-145, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
19

With the multi-combustion technology, the combustion in a hybrid rocket engine (HRE) can be temporarily stopped via oxidizer throttling. In this paper, two types of HREs, one with multi-combustion technology and the other without, are compared to investigate the effects of multi-combustion on the flight performance of launch vehicles (LVs). Non-dominated Sorting Genetic Algorithm-II (NSGA-II) which was a multi-objective evolutionary algorithm (MOEA) was applied to solve the design problems using real-number coding and the Pareto ranking method. To investigate the effects of the multi-combustion on flight performance of LV with HRE, three design problems were considered. The first case was the maximization of the flight altitude and the minimization of the gross weight. The second case was the minimization of the maximum acceleration and the minimization of the gross weight. The final case was the maximization of the flight downrange and the minimization of the gross weight. Many non-dominated solutions were obtained by NSGA-II, and a trade-off was observed between the two objective functions in each case. MOEA results were visualized using a parallel coordinate plot. According to the exploration result, it was found that the multi-combustion of HRE was effective to reduce the maximum acceleration. Such ability could be expected to reduce the shock load to payloads carried by the LV with HRE.
著者
村上 隆紀 小池 正徳 嶋田 徹
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 自然科学 (ISSN:09193359)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.p157-162, 1993-10

細胞レベルにおけるトマト半身萎ちょう病に対する抵抗性を調べるたあに,感受性2品種(強力米寿,ヒカリ)と抵抗性3品種(豊将,モモタロウ,ハウスおどりこ)を用いて菌培養濾液に対する反応を調べた。菌培養濾液を含んだLS寒天培地上で,胚軸からのカルス誘導とカルスの生育を調査したところ,誘導されたカルスと生長したカルスの生重量は,濾液の濃度が高まるにつれて抑制される傾向にあり,抵抗性および感受性品種間に反応の差は認められなかった。
著者
関野 展弘 嶋田 徹 田村 直樹 Sekino Nobuhiro Shimada Toru Tamura Naoki
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所特別資料 = Special Publication of National Aerospace Laboratory (ISSN:0289260X)
巻号頁・発行日
no.29, pp.164-170, 1996-01

航空宇宙技術研究所 8 Jun. 1995 東京 日本13回航空機計算空気力学シンポジュウム-高エンタルピー流れワークショップの課題に対して11の結果を示した。これらの課題は球体回りの流れのシミュレーション(課題 1)および再突入機、OREX回りの流れのシミュレーション(課題 2) である。これらのシミュレーションを行うために、異なる気体の性質用に3種類の数値コードを使う。すなわち熱化学非平衡気体用、平衡気体用、および凍結(理想)気体用である。これらのコードにおいて、ナビエ・ストークス方程式はHarten-Yee型TVD(全変動減少)流束推定およびLU-SGS(上下対象ガウス-サイデル)陰的法を使用する有限体積形とする。熱化学非平衡流れに対しては、11の化学種が考えられ、Parkの2温度モデルを採用する。球体ケースに対する計算熱流束は、ワークショップの主催者達から提供された実験データと良く一致する。OREX(軌道再突入実験)ケースに関しては、計算熱流束が飛行データより幾分大きいが、 計算結果は飛行データと同じオーダで一致した。球体の場合の特殊な流れに対しては、非触媒壁への熱流束は完全触媒壁への熱流速より大きい。この現象の原因の1つは、化学種の急速な再結合速度であることを示した。資料番号: AA0000110016レポート番号: NAL SP-29
著者
嶋田 徹 Shimada Toru
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
第2回ハイブリッドロケットシンポジウム 講演集 = Proceedings of the 2nd Hybrid Rocket Symposium
巻号頁・発行日
2019-07

第2回ハイブリッドロケットシンポジウム(2019年7月11日-12日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県
著者
小池 正徳 嶋田 徹 雨宮 良幹
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.101-107, 1993
被引用文献数
21

バーティシリウム萎ちょう病に対するアルファルファの細胞レベルにおける反応を明らかにするため,抵抗性3個体(V-16,E-18,K-1それぞれ品種バータス,ヨーロッパ,キタワカバ由来),感受性3個体(V-6,E-8,T-3それぞれ品種バータス,ヨーロッパ,ソア由来)より誘導したカルスからプロトプラストを調製し,Verticillium albo-atrum培養濾液および菌体細胞壁成分に対する反応を調べた。菌培養濾液を透析により4つの画分(A:分子量3500以下,B:3500以上12-14,000以下,C:12-14,000以上50,000以下,D:50,000以上)に分画し,それぞれのプロトプラストに20%の濃度で処理し,12時間後に生存率を調査した。各画分ともプロトプラストの生存率は減少したが,画分Aに対して感受性個体のプロトプラストの生存率の減少が顕著であり,画分C,Dに対しては抵抗性個体のプロトプラストの生存率の減少が顕著であった。次にプロトプラストに菌体細胞壁成分を処理し,生存率を経時的に観察した。その結果,抵抗性個体のプロトプラストの生存率減少が感受性個体のそれらに比べ顕著であった。以上の結果から,Verticillium albo-atrum培養濾液を用いて細胞選抜を行う場合は,培養濾液全画分を選抜因子として用いるよりは,低分子画分(画分A)を分画して用いた方が効果的であることが予想される。また,培養濾液高分子画分(画分C,D)および菌体細胞壁成分に対するプロトプラストの反応率は抵抗性の指標として利用できることが示唆された。
著者
嶋田 徹
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.247-252, 1982-10-28
被引用文献数
4

オーチャードグラスの耐冬性選抜に用いる耐寒性検定法として,MARSHALLがエンバクに用いた冠部凍結法を採りあげ,その有効性ならびに最適な手順を検討した。その結果,本法がオーチャードグラスにも適用できる精度の高い検定法であることを認めた。また検定に際しては次のような手順が最適と考えられた。(1)圃場でハードニングを行う場合,毎年播種期を統一して幼苗の生育程度を整える。本実験では9月1日とした。発芽後間引いて個体を養成し,11月中旬から12月上旬に掘りとり検定する。(2)秋期以外に検定を行う場合,ハードニング装置を用いる。60〜70日苗を3℃,8時間日長で3週間ハードニングするとほぼ圃場並の耐寒性の増大が期待できる。(3)根を冠部の下から約0.5cm,地上部を3〜4cm残して切除し,水洗後アルミホイルに包み,脱気密封する。(4)これを冷凍器(精度±0.5℃)に入れ凍結処理する。凍結時間は16時間とし,材料のハードニング程度を推定して,平均で50%程度の個体生存率が得られるよう凍結温度を決定する。材料の耐寒性程度に大きな変異があるときは,2℃ずつ異なる2〜3水準の凍結温度で処理し,その平均値で評価を行う。処理に際しては,まず2〜4時間材料を0℃に置き,熱平衡に達してから,1時間に20℃の割合で温度を低下させ,所定の温度に16時間置いたのち2℃で解凍する。(5)凍結前に材料を-30℃の冷凍器に2〜3週間保存することができる。その際材料の耐寒性は増大するので留意する。(6)材料を温室のバーミキュライト床に移植,3週間後の発根程度により評価を行う。
著者
嶋田 徹 新発田 修治
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.283-289, 1984-01-31
被引用文献数
1

育成地や収集地を異にするオーチャードグラスの多数の品種および自生集団について耐凍性を比較し,北海道で栽培されるオーチャードグラス品種に必要とされる耐凍性の程度を検討した。北海道産の品種系統および導入品種からなる24集団間の比較では,耐凍性は育成地の1月の平均気温と密接な相関関係を示した。北海道産の品種系統のうち,帯広産の2系統は,最も耐凍性が大きかったカナダ産品種と同程度の耐凍性であったが,札幌産の5品種は耐凍性が中位で,一部の北欧・アメリカ産品種と同程度の耐凍性であった。また,北海道各地から収集した27自生集団間の比較では,耐凍性は,1月の平均気温より,15cm以上の積雪が生ずるまでにオーチャードグラスが受ける寒さの程度と関係していた。したがって,多雪な日本海側地域からの集団で耐凍性は小さく,寒冷少雪な太平洋側東部やオホーツク海側地域からの集団で耐凍性は大きかった。また,寒冷少雪地帯にある大規模草地の異なる標高から収集された9集団の比較では,播種されたアメリカ産品種マスハーディの耐凍性が自然選択により増大していることが認められた。これらの結果から,北海道で栽培されるオーチャードグラス品種には,耐凍性で品種の栽培地域区分を行うことが望ましいこと,その際,多雪地帯ではキタミドリ程度の中位な耐凍性で十分であるが,寒冷少雪地帯では,世界的にみても最高程度の耐凍性が必要であることがわかった。
著者
新発田 修治 嶋田 徹
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.102-108, 1986-07-31
被引用文献数
5

世界各地から収集したオーチャードグラスの27品種について,秋季の炭水化物含有率,耐凍性,および雪腐大粒菌核病抵抗性を調査し,これら3形質相互の関連について検討した。初秋に播種した幼植物の越冬前における耐凍性は品種によって異なり,1月の平均気温が低い育成地の品種ほど耐凍性が大きかった(r=-0.707)。幼植物の炭水化物含有率は,いずれの品種も還元糖(RS)<非還元糖(NS)<全糖(TS)<フクトサン(FS)<水溶性炭水化物(WSC:TS+FS)の順に高かった。RSを除くこれら画分と耐凍性との間には有意な正の相関々係があり,とくにWSC含有率との間に最も高い相関係数(r=+0.673)が得られた。また,各画分と乾物率との間にも有意な正の相関々係があり,特にWSC含有率と乾物率との間に最も高い相関係数(r=+0.710)が得られ,乾物率からWSC含有率を推定しうることが示された。17品種の雪腐大粒菌核病の被害率を消雪期に調査する方法で雪腐大粒菌核病抵抗性を検定したところ,北欧産,北米産および北海道産の品種の抵抗性が高かった。耐凍性が高い品種ほど被害率が低かった(r=-0.617)。またNS,TS,FS,WSC(r=-0.657)含有率が高い品種ほど被害率が低かった。これらの結果から,土壌凍結地帯で,冬枯れ抵抗性品種を育成する際には,選抜の指標としてWSC含有率が一つの目安となり,その推定法として乾物率が有効であることが示唆された。