著者
植田 喜久子
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大學大學院紀要 (ISSN:13442422)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.161-172, 1999-03-01

阪神・淡路大震災後における視覚障害者の移動・情報入手の実態について視覚障害者10名に半構成的面接調査法を行い明らかにした。大震災により環境は変化し,視覚障害者は環境を把握するてがかりを失い単独での移動が不可能になり,移動時間の延長や移動範囲が狭くなっていた。また,震災後の情報の伝達方法は健常者中心であり,視覚障害者は点字,ラジオ,家族や知人の説明により情報入手していた。災害時に視覚障害者自身が自助努力のみで移動したり生活に必要な情報が入手できないため,誰もが視覚障害者の不自由について理解し対応する重要性がある。誰もが災害時に人間がどのような体験をするのかを理解し,いかなる状況においてもより豊かに生きることができるように生活のあり方について学習する必要がある。学習課題の緊急性を考慮すると災害に関する学習は,生涯学習の現代的課題である。

言及状況

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阪神・淡路大震災時の視覚障害者の移動・情報入手について②:「震災後、情報の伝達方法は健常者中心であり、視覚障害者は点字、ラジオ、家族や知人など私的な関係者からの説明など聴覚を活用した情報入手を行っていた」視覚障害者は行政対応のまずさを体験 http://t.co/t19hJiF
阪神・淡路大震災時の視覚障害者の移動・情報入手について①:「震災による環境の急激な変化は、視覚障害者にとって失明に等しい体験であり、変化した環境を把握する手がかりをうしない、単独での移動が不可能になった」建物の倒壊、道路の変化、工事音が響くhttp://t.co/t19hJiF

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