著者
福留 秀雄
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.145-152, 1956

Low方程式は今迄の散乱問題の方程式と異りnon-linearな方程式であるので、その解が一義的に決定出来るかどうかが興味をもたれる。ところでDysonその他の人々は最近static nucleonとcharged scalar又はneutral scalar中間子の相互作用する系のLow方程式でnon-meson近似を取り、それが任意のpurameterを無数にもつ解をもっていることを示してLow-方程式はそれだけでは散乱問題に対して一意的な答を与えないと結論した。この論文では前の論文で与えられたLow方程式の微分系を使って、真空状態を基準状態とするLow方程式が線型の方程式に書き直すことが出来、かつその際にDysonらの見出した不定性が現れることを一般的に示そうと思う。

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