著者
清水 惠枝
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.54, pp.30-40, 2007-12-25

これまで公文書館の設置は、歴史資料保存運動や自治体史編纂事業と関連付けられ、資料保存に力点をおいて進められてきた。このことから公文書館の性格は文化的側面が強調されてきた傾向がある。しかし、近年では社会の変容とともに、公文書館が担う役割に変化が生じ、公文書館の趣旨に行政的な側面が表れるようになった。そのような傾向であるにもかかわらず、公文書館の組織における権限や位置付けは弱く、業務基盤が貧弱である。非現用の文書を扱う公文書館が行政的な役割を担うには、自治体と公文書館で同一の情報資源を扱うことを考慮した業務が図られなければならない。公文書館が行政情報を着実に蓄積して恒久的にそれを提供することにより、住民の行政参画が促進され、より民主的な自治運営が期待される。

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