- 著者
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大庭 重治
- 出版者
- 全国障害者問題研究会
- 雑誌
- 障害者問題研究 (ISSN:03884155)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.4, pp.254-262, 2008-02
小学校における一斉指導をうけても、平仮名の読み書きを十分に習得できない児童が存在している。このような子どもたちに対する学習支援においては、読み書きの状態を的確に把握し、その状態の背景にある認知特性を理解した上で、具体的な支援方法を選定していかなければならない。しかしながら、読み書き障害児に対する支援の歴史が浅いわが国においては、このような対応は極めて不十分な状況に留まっているといえる。そこで本稿では、平仮名の書字に焦点をあて、それに関連する従来の研究成果を概観し、合わせて今後の支援に向けた検討課題を整理した。特に、書字状態を把握する際の手がかりとなる書字遂行過程モデルの構築の必要性、子どもの認知特性を理解するための体系的な検査法の必要性、内発的動機づけに基づく書字支援の重要性などを指摘した。