著者
村田 潔
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.13-22, 2008-03-10
被引用文献数
1

ネット上に公開されている無数の情報の中から,自らが利用したい情報を見つけ出すためのツールとして,検索エンジンは広く利用されている。あらゆるタイプのメディアがデジタルメディアに集約化され,サイバースペースがリアルスペースの「ミラーワールド」であると見なされるようになりつつある今日,検索エンジンは,人々が何を見て,何を知ることができるのかを決定する要因となってきている。このことは,個人や組織が知ることのできる情報が検索エンジンによって制約されるばかりではなく,個人や組織が発信した情報が他者によって知覚されるか否かについても検索エンジンの機能が大きく影響していることを意味する。この点において,検索エンジンがどのような検索結果を表示するのかは,民主主義の根幹である言論の自由に対する直接的な影響力を持ち,したがって,ネット検索企業は,その社会責任の重さを認識し,それを全うするよう行動しなければならないのである。

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こんな論文どうですか? ネット検索企業の社会責任(村田 潔),2008 https://t.co/Vn0SRT7IpY ネット上に公開されている無数の情報の中から,自らが利用したい情報を見つけ出すためのツールとして,検索エ…
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