- 著者
-
木下 眞二
- 出版者
- 北翔大学
- 雑誌
- 人間福祉研究 (ISSN:13440039)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, pp.101-106, 1998
現在使われている暦では,通常,4年に1度,うるう年がある。このような暦では,世紀の初めと終わりで,春分の日付が,1日近く前にずれる。16世紀終わりころ,ローマ法王グレゴリ十三世が,このような日付のずれを補正するために,1700年,1800年,1900年は,例外的に,うるう年としないことに決めた。しかし,春分の日付が平均として1日ずれるのは,100年より少し長い約128年である。このため,グレゴリ暦では,400年に1度,このような補正を行なわないように決められていた。2000年が,そのような補正をしない年となっている。つまり,2000年はうるう年のままである。このため,1900年の補正から次ぎの2100年の補正の200年の間に,春分の日付は3日もずれることになる。以上のように,グレゴリ暦は,21世紀以後の使用に適していないと思う。もし,暦を改めなければならないとすると,2000年は,まさに千年に1度のチャンスであろう。ここで,21世紀以後の新しい暦を提案したい。「キノシタ暦」は,「5の倍数でない数の世紀では,5で割った剰余×20の年を,うるう年としない。5の倍数の世紀では,このような補正はしない」というものである。つまり,21,22,23,24世紀は,それぞれ,20年,40年,60年,80年を,うるう年としない。20,25世紀は,このような補正をしない。「キノシタ暦」では,春分の時刻は,補正の年と次の補正の前のうるう年の間で,いずれも,平均として,ほぼ24時間以内のずれにおさまる。しかも,今後5千年から1万年も,次の改正を必要としない。このような長い年月のうちには,もし人類が絶滅していなければ,人間は広く宇宙の中に住んでおり,地球的暦より,宇宙的暦を使っていることと思う。