- 著者
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木下 眞二
- 出版者
- 北翔大学
- 雑誌
- 人間福祉研究 (ISSN:13440039)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.149-153, 1999
前回、提案した「キノシタ」暦が、グレゴリ暦に優っている理由は、次のようである。(1)「キノシタ」暦の規則は、グレゴリ暦と同様に、単純明快である。(2)グレゴリ暦では、1900年と2100年の間に、春分の日付が4日もある。「キノシタ」暦では、うるう年における春分の時刻のずれは、常に、ほぼ1日以内におさまる。(3)グレゴリ暦では、約2600年後に、春分の時刻の狂いが、さらに1日加わり、暦の再改正をせざるを得ない。「キノシタ」暦では、このような1日の狂いが生じるのは、1万年も先のことで、再改正をほとんど考慮する必要がない。(4)「キノシタ」暦では、1つの世紀の中に、500年の周期がちょうど2つ入る。人間は、10(2×5)進法を用いているので、400年の周期をもつ、グレゴリ暦に比べ、暦の算出法が容易である。(5)現在、グレゴリ暦は、単にキリスト教徒だけでなく、世界中の人々によって、広く用いられている。従って、復活祭の日付の算出は、暦の主要な役目ではない。(6)現在、日本キリスト教団の教会の中で、4月の第一日曜日に、復活祭を祝っているところもある。(7)人類は、食料の大きな部分を農産物から得ている。農産物は、季節の変動に密接に影響を受ける。従って、春分の日付の変動が、できるだけ、小さいことが良いと思われる。「キノシタ暦」は、単純明快な算出規則を持ち、精度が高く、かつ、永続的な暦である。2000年の時点で、考え得る、最も良い暦であると信ずる。