著者
井村 治
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.45-56, 2008-04-15
参考文献数
67
被引用文献数
4

各都道府県別のチョウのレッドリストとチョウの生態的特性を定量的に分析することにより,草地性チョウ類の保全すべき種とその特性を明らかにした。またこれらのチョウの保全とその生息地となる草地の維持・管理について議論した。日本産チョウ類の65.4%の種がいずれかの都道府県で絶滅の恐れがある種とされていた。レッドリストの種数では,草地性種が森林性種に比べて生息が脅かされるとは言えなかった。レッドリストカテゴリーに基づく絶滅リスク指数(ERI)でチョウを評価したところ,最上位の種はいずれも草地性の種であった。ERIとチョウの生態的特性の関連を一般化線形モデルで解析したところ,分布面積が狭く,単食性の草地性である種の絶滅のリスクが高かった。ERIは保全すべきチョウを評価するだけでなく,チョウの住む草地の環境的価値を評価するためにも利用できると考えられる。

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