著者
保坂 真理 須藤 貢明
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.8-17, 1979-06-15

本研究は、ろう児と普通児に語句の組み合わせ実験と文の再生実験を行うことによって、彼らの文の生成能力と認知能力を測定し、言語発達の様相を明らかにすることを試みた報告である。語句の組み合わせ実験は一枚の絵と語句リストを提示し、提示語句を組み合わせて絵に合う文を作るという手続きで行い、再生実験は文を文字提示し、音読後すぐに文字でその文を再生するという手続きで行った。そして、ろう児は小学部高学年と中学部の児童・生徒を被験者としたが、小学部と中学部の間で両実験のスコアに有意差はなかった。また、ろう児は小学校2年生の普通児に比べ両実験共に低いスコアであった。さらに、普通児は再生実験のスコアが組み合わせ実験のスコアより高い値を示したのに対し、ろう児はその逆の傾向を示した。これらの結果から、小学部高学年と中学部のろう児は小学校2年生の普通児よりも構文力が低く、また、その発達は停滞していると考えられた。

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