- 著者
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菅井 邦明
- 出版者
- 日本特殊教育学会
- 雑誌
- 特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.2, pp.p10-19, 1986-09
- 被引用文献数
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本研究では音声言語行動、特に話しことばの形成過程とその形成条件を究明した。その目的のため身体運動の発達過程における構音動作の発現と話しことばに必要な視覚・聴覚の弁別機能の形成過程を特定音声言語行動「げんこつ山のたぬきさん」の形成過程から分析した。観察方法は、「げんこつ山」を(1)歌と動作で受信した時、(2)歌のみの時の反応を8mmカメラで収録した。対象児は聴覚障害児13名であった。その結果、音声言語行動の形成過程は、視覚・聴覚で受信し上肢で発信する段階から、ゆっくりした歌に上肢で発信できるようになり、次第に速い歌に上肢で発信できると同時に構音動作で発信し(復唱の発現)、最後に自分で歌って動作で発信するようになった。この過程で運動調整機能や視覚・聴覚の弁別機能、仲継ぎ過程系の形成も観察され、音声言語行動形成の条件が考察された。その知見をもとに障害児の音声言語行動形成に必要な視点が提言された。