著者
小須田 和彦
出版者
城西大学
雑誌
城西大学研究年報. 自然科学編 (ISSN:09149775)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-11, 2008-03-30

本学学生並びに彼らの両親を対象としたアンケート調査によって得られたデータに基づいて,BMI (Body Mass Index) の親子相関が調べられヘリタビリティーが推定された。父-息子,父-娘, 母-息子, 母-娘に分けて親子相関が求められたが, BMI の親子相関はいずれも中程度で0.21-0.27 の範囲でありその平均は0.238 であった。したがって, ヘリタビリティーは0.47と推定された。BMI のヘリタビリティーの推定値0.47 は性的成熟年令(初潮・精通) における0.92 や身長の0.73 よりも低いものの, 体重の0.39 より高いものとなった。男子学生と彼らの父親のBMI の平均値は21.20 と23.66 で, その差は統計的に0.1%レベルで有意であった。おなじく, 女子学生のBMI は19.98 で彼女らの母親のBMI, 23.15 より有意に高かった。このことは,BMI が加齢により増加する傾向がはっきり示された。統計的に有意ではなかったものの, 娘を持つ父親並びに母親のBMI が息子を持つ両親のそれより低かったことは興味深い。体型に関心が高い娘の言動に影響され父親も母親も共にダイエットに留意したことがその理由であろう。

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