著者
稲垣 貴士
出版者
大阪成蹊大学
雑誌
大阪成蹊大学芸術学部紀要 (ISSN:18801544)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.29-34, 2007

トリン・T・ミンハの《ルアッサンブラージュ》(1982)は、アフリカのセネガルを撮った40分のドキュメンタリー・タッチの映画である。しかし、一見ドキュメンタリー映画のようでありながら、ドキュメンタリー映画の常套的な手法や方法論が意図的に解体された映画であり、その批評的、かつ詩的、音楽的な映像表現は、既存の映画ジャンルには分類しがたい特異な創造特性と魅力を備えている。ここでは、《ルアッサンブラージュ》の作品分析とトリンのドキュメンタリー映画論『全体化する、意味の探求』を通して、その点に言及したい。

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