著者
佐藤 文子
出版者
駒澤大学北海道教養部
雑誌
駒澤大學北海道教養部論集 (ISSN:09136509)
巻号頁・発行日
no.12, pp.13-22, 1997-10

Graham Greene (1904〜1991)のBrighton Rock (1938)は,1939年に出版された長編で,いわゆる宗教的テーマを持つ作者の代表作の1つに数えられている。Greeneの作品は,元来novelとentertainmetntに分けられていたのであって,この作品は初めは娯楽作品としてラベルがはられていたのであったが,後にGreene自身によって,その文学的卓越性のために,novelのジャンルに分類されたのである。つまり,novelであり且つentertainmentであるという風に,2つの要素を兼ねそなえた作品である。さて,この作品の題名Brightonというのは,イギリスのSussex州の都市であり,その観光地で売っている棒飴をbrighton rockと言っている。この飴は,どこを折っても'Brighton'という文字が出て来る,いわゆる日本の金太郎飴に当たる観光地の名物である。このようなチャーミングな題名を持ちながら,この作品の内容は実に暗黒そのものの,殺人犯の少年,いわばやくざまがいの世界を描いた作品である。この小論では,Greeneが何故このような「悪」の世界を描くのかという事を考えながら,この作品に於ける宗教的テーマ,いわゆる「癩者への接吻」のテーマを解明するためにRoseの役割を考察していきたいと思う。

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こんな論文どうですか? Brighton Rock論 - 癩者への接吻 -(佐藤 文子),1997 https://t.co/C3H0tzJhtJ Graham Greene (1904〜1991)のBrighton Rock…

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