著者
西村 紀三郎
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學經済學部研究紀要 (ISSN:03899861)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.67-93, 1983-03

本稿でははじめから明確な結論を期してはいない。また論述すべき条件を残している。各地方の活動水準については単に住民一人当りの額で見るに止めずに,県民所得や県内純生産との対比による状況把握も必要と思われる。しかしこれまでの概括的把握によっても金融活動の地域的性格の一端は明らかにされたものと考える。各金融組織のそれぞれの活動条件に即した努力の結果が各地域の特性を形成し,それを東西に分けて把握したとき,財政活動に示される西高東低型の構造を裏付けあるいは反映する状況を看取することができる。そしてそれは対象の時点において状況展開の方向に即して示されていると見ることが許されよう。すなわち,52年3月末の状況に示される経済力の東の優位はその後の5年間における財政活動によっても変ることなく,さらに東の優位の強化となって展開された。その典型は貸出残高の関東の高位上昇と近畿の高位の保持不安に示され,預金残高としても関東は優位を保ち近畿は高位からの低落に歯止めをかけることができるかを問題にすべき状況にある。

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