著者
湯浅 愼一
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.47-52, 2009-01-31

人間の本質を単に植物や動物等という他の存在者から区別して考察しようとするとき,人間という概念の非規定性ないし多義性ゆえに人間の本質の考察は迷路でその指針を見失う。それに対してハイデッガーは人間を世界の内に在って自らの存在の可能性に向けて自らを投企する存在,すなわち 現存在として捉え,それを分析することを彼の課題とする。後期に至ってハイデッガーは現存在の分 析から存在そのものの意味の解釈に移行し,ここで20世紀の形而上学及び経験科学の徹底した主観主義化と人間主義化を指摘し,烈しく糾弾する。

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