著者
北村 友人
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.393-404[含 英語文要旨], 2008-12

教育政策をはじめとする公共政策の形成過程において実証的なデータの重要性がますます高まっている。そうしたなか、本稿では、とくに開発途上国における教育政策評価を行うために、いかなる教育指標が開発され、それらがどのように活用されているのかについて検討を加える。途上国の教育政策を評価する際には、「途上国における教育政策の実効性」と「途上国に対する教育開発援助の効果」を評価することが求められている。いずれの観点からの分析においても、国際的に比較可能な教育指標にもとづく評価が重要であると広く認識されているが、実際の評価では必ずしも十分に教育指標が活用されているわけではない。とくに本稿では、国際的な教育開発援助のイニシアティブであるEFAファスト・トラック・イニシアティブ(FTI)を事例として取り上げ、国際社会による途上国支援という文脈において教育指標にもとづく評価が必ずしも明確な基準にもとづいて行われているとは言えない現状を明らかにしている。

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