著者
柊崎 京子 Kyoko Fukizaki
巻号頁・発行日
no.25, pp.37-66, 2009-03-31

介護過程の一連のプロセスのうち、介護過程の教育及び実習における介護過程展開で最も重要なのは、アセスメントである。アセスメントとは「判断」を導き出す過程である。よって、判断に至るプロセスの中に何を入れるか、どんな指標をもつかは、「判断」の信頼妥当性のエビデンス(根拠・明証性)を示すものである。本学では過去4回介護過程シートを作成してきたが、それはアセスメントの枠組みの理論的検討と、教育方法の検討という2 つの課題を前提とする模索過程の結果であるといえる。本稿では、本学における介護過程シートの変遷を整理することにより、介護過程の教育で何を課題にしてきたかを振り返った。その結果、アセスメントシート作成の土台としてきた視点には4点があることを確認できた((1)利用者の生活に目を向ける、(2)利用者の要望や意向を大切にする、(3)利用者との関係形成や自己覚知の視点を学生がもてるようにする、(4)思考過程の流れに沿ったシートを作成し、シートに思考手順の説明文を記す)。また、2008年試行版シートは、情報の分析・解釈・判断の過程で何をどのように行うかの手順や、判断の指標を学習者に示す方法でシートを作成した。最後に本稿のまとめとして、本学における介護過程シートの変遷や、2008年試行版シートの作成趣旨とその試行結果を踏まえ、今後の改訂に向けた課題と方向性を整理した。

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介護過程シートの変遷 : 1990-2008年 : 介護過程の導入から、思考過程を導き・実践方法を根拠づけるアセスメントシートの検討まで http://t.co/DO7t6ieV
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