著者
福井 義一 飯野 めぐみ 福井 貴子
出版者
東海学院大学
雑誌
東海学院大学紀要 (ISSN:18827608)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.193-202, 2007

本研究は,解離性同一性障害のクライエントに催眠療法を適用して人格統合から治癒に至ったケースについて,症状の顕在化する前に2回と人格統合後に2回実施した心理検査の結果を比較し,体験様式やパーソナリティの変容について検討した。用いた心理検査はMMPIとバウムテストであった。その結果,MMPIにおいては,先行研究で得られたような妥当性の低下や分裂病尺度の上昇は見られなかったが,症状の顕在化直前には各臨床尺度の値が揃って上昇したことが分かった。バウムテストからは,初回と2回目の異質さが示され,統合後は安定した描画となったことが,諸変数の変化からも明らかとなった。さらに,描かれた木の説明からも重要な情報が得られることが示唆された。総じて,一事例研究から解離性同一性障害の一般的特徴を抽出することは適切ではないが,検査結果を継時的に比較検討することは有益であると結論づけられた。

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【催眠療法により人格統合に至った解離性同一性障害の心理アセ スメント事例 : 4回のMMPIとバウムテストの結果】 http://t.co/vQc2C2CvPw

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