著者
柳井 圭子
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.23-35, 2009-03-01

最近社会的に問題となっている院内暴力に対し,医療専門職者はいかなる対抗手段を講じうるかという今日的課題について,イギリスの院内暴力対策を紹介しながら我が国における法の役割について考察する.対策として,暴力対抗手段である「言葉による防衛」,「折衝」手段においては,事後のトラブル回避のため法的素養が必要であり,「身体や物を使っての防御」手段においても,その防御が法的に許容される範囲に止めなければならない.また行為者の行動が病気あるいは抑うつされた状態や環境から引き起こされたものである場合に,医療専門職者の反撃,通報や告訴が法的,道義的に許容されるかが問題である.暴力に対抗する手段(言葉による防衛,通報,反撃,拘束,診療拒否など)は,医療専門職者の道義的,法的責任にかかわることでもあり,患者の健康管理と医療の場における安全・秩序維持という極めて重要な問題である.

言及状況

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ちょっとデスク周りの資料を整理していて出てきた文献「暴力的患者からの防護における法の役割」→http://t.co/NzjCRlT2 。早く片付けなきゃと思いつつ目を通したら、日本の医療現場は何て守られていないんだろうという思いにかられたなう。政策からも法律からも…(泣)

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