著者
松田 昇一 Ishiuchi Toru 親川 兼勇
出版者
沖縄工業高等専門学校
雑誌
独立行政法人国立高等専門学校機構沖縄工業高等専門学校紀要 (ISSN:1881722X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.67-76, 2009-03

衝突噴流群は広範囲に大きな熱伝達率が得られることから,ガスタービン翼の冷却および燃焼室の冷却など工業的に広く利用されている.高温鋼板やシートの冷却では,大きな熱伝達率が必要と同時に一様に冷却することも重要となる.しかしながら衝突噴流群の流れ場は,隣接する噴流同士の干渉や,壁面に衝突後外部へ流出する流れとの干渉により複雑となっており,場所によっては,熱伝達率値に大きな差異がみられる.また最近の機器の小型化に伴い,衝突噴流群も狭い空間内で使用される.その場合,衝突噴流群の流れ場は隣接する壁面の影響により,さらに複雑な流れ場となり,温度場も複雑となる.本研究では,比較的狭い空間内において衝突噴流群を垂直に高温壁に衝突させた場合の流れ場と高温壁面上の温度分布を測定し,流れ場が温度場に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている.流れ場は,噴口上流部より煙を流入させ,噴口と衝突平板間に側面よりシート光(レーザ)を入射し可視化を行った.煙の粒子径は約1μm であり,レーザーは出力が1000mW のグリーンレーザである.温度場は,衝突平板裏面より赤外線放射温度計を用いて測定を行った.赤外線放射温度計には256×236のインジウムアンチモンセンサーが搭載されており,伝熱面全面の温度分布を同時に測定することができる.空間分解能は本実験条件において0.3×0.3mm であり,フレーム速度は1/120fps である.これらの実験結果より,衝突噴流群を垂直に高温壁に衝突させた場合の流れ場が温度場に与える影響を明らかにし,幾つかの実験式を提案した.

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