著者
川上 和人 益子 美由希
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
no.31, pp.41-48, 2007
被引用文献数
1

小笠原諸島では、無人島を含めたいくつかの島でネコが野生化している。一般に海洋島の動物は、捕食性哺乳類が不在の環境で進化してきているため、移入捕食者により個体群が大きな影響を受けることが少なくない。そこで、小笠原諸島においてネコが在来生態系に与える影響を評価する基礎資料とするため、母島において野外で採集したネコの糞分析を行った。その結果、ネズミ類が食物の大きな割合を占めているが、海鳥の繁殖地周辺では同頻度で海鳥を捕食していることが明らかになった。また、絶滅危惧IB類であるオガサワラカワラヒワを含め、トカゲ類や昆虫類、甲殻類など、多様な動物を採食していることが明らかとなった。母島南部はオガサワラカワラヒワの島内における主要な生息地であり、また海鳥繁殖地もあることから、特にこの地域で野生化したネコを積極的に管理する必要がある。

言及状況

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硫黄島ではないですが同じ小笠原諸島の猫の捕食についての調査が論文になっています 硫黄島の固有種については詳しくないので論じませんが、猫がいる以上はそのリスクも避けられない https://t.co/fjUKgUhNIE
こんな論文どうですか? 小笠原諸島母島におけるネコFelis catusの食性(川上 和人ほか),2008 http://t.co/m2w3W7bEFD

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