- 著者
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荏本 孝久
望月 利男
神奈川大学工学部
東京都立大学都市研究所
- 雑誌
- 地域安全学会論文報告集 = Papers of the annual conference of the Institute of Social Safety Science
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.293-298, 1996-11
阪神・淡路大震災から約1年8ケ月が経過し、都市再生・生活再建へ向けて各方面で復旧・復興に掛わる活動が行われている。戦後最大の震災は、地震災害に関するそれまでの常識を根底から覆えした。地震の被害による犠牲者は6千人を超え、全・半壊した家屋も約20万棟にのぼった。建築・土木構造物の膨大な被害は、社会的に大きなインパクトを与えた。震災直後から約1年間程度に亘っては、人的・物的被害,震災対策,防災対策,経済・社会的影響,復旧・復興,市民生活等々、震災に関わるあらゆる側面の情報が新聞・テレピ・ラジオ等を通じて報道された。約2年を経過しようとする現在、これらの情報は極めて限られたものとなり、震災の教訓から取り上げられた多くの課題は、解決に向けてどのように展開しているのかも知ることが困難になりつつある。この震災を記憶に刻み、同じ様な災害を再び繰り返さないために、今回の大震災に関する全容と時間的経過を記録整理し、分析を行うことは大変重要なことであると思われる。本研究では、阪神大震災発生直後からあらゆる分野の被害状況および対応を記録に残すために新聞記事によるデータベースを作り、震災の課題の整理と問題解決の糸口を検討するために、震災の時系列分析を行うことを目的としている。本報告は、震災後1年間の新聞記事のデータ整理と若干の分析について報告する。