- 著者
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中西 正治
- 出版者
- 公益社団法人日本数学教育学会
- 雑誌
- 数学教育論文発表会論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.39, pp.655-660, 2006-10-07
本稿は、『カズノホン』『初等科算數』における関数教育の変容や特質について考察したものである。考察の結果、次の4点が明らかとなった。1点目は、関数教育を比例関係と反比例関係だけの学習とするのではなく、統計資料や図形の事象においても、静的ではなく動的に見みることによって、関数的な見方や考え方をしていること、2点目は、関数関係としての比例・反比例は6年生で学習しているが、その素地および段階的な指導は1年生から始められていること、3点目は、グラフを変化の全体の趨勢を考察するための有効的な手段としていること、4点目は、6年生を中心に力学的な事例が多く盛り込まれ、実験を通してその事象における各々の関係の理解を図っており、その力学的関係の理解には比例関係と反比例関係を基盤としていることである。