著者
潮谷 恵美
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.59-70, 2008-03

本論では,4年制大学の社会福祉実習教育における学内指導場面を研究の対象としている.そのなかでも,学生の実習体験をそれ以降の学生の学習過程につなげるものとして位置づけられる「事後学習」に着目する.そこで見られた教員や学生同士の相互作用過程に焦点をあて,実習体験を個々の学生が振り返る過程を分析することを目的とした.本研究では関東圏内にあるA大学とB大学において1999年4月〜2000年1月まで開講された社会福祉実習(社会福祉士受験資格指定科目)の通年授業へ参与観察することによって得たデータから分析を行った.分析方法は,研究テーマに従い,グラウンデット・セオリー・アプローチを用いた.分析の結果から,事後学習のグループディスカッションにおいて個々の学生にとってのグループの活用状況,学生同士の発言,実習体験に対する個々の内面の動きなどが相互に作用しあっていたプロセスが明らかになった.本論では実習事後学習グループディスカッションにおいて学生の実習振り返りが進むプロセスを学生の「課題アイディンティファイ」プロセスとしてとらえ,グループ内の相互作用過程について,(1)グループディスカッションプロセスにおいては「実習体験への接近」,「まな板にのる」,「たぐりよせ」,(2)グループに対する認識プロセスにおいては「前提獲得」,「わかる仲間」,「支える仲間」とそれぞれ三つのカテゴリーが生成できた結果を提示した.

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