著者
石田 博幸
出版者
中部大学
雑誌
現代教育学部紀要 (ISSN:18833802)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.37-43, 2009-03

児童が教室に入ってくる前にも、各種概念について、白紙なのではなく、各自の概念を持っている。概念の獲得過程は、生活や自然の中から現象や事物が認識され、まわりからその名前や呼び方を知らされて、容易に獲得するものと、例えば、"従兄"や"凶器"のように、事物のみの把握では、獲得されず、社会的な説明が加わって初めて概念が獲得されるものがある。この前者を自然的獲得概念、後者を、社会的獲得概念と呼ぶことにする。実は、自然科学概念の中にも、はっきり区別しがたいが、この2種類があり、その概念を伝える方法も異なってくる。その違いは、各国で、その国の自然環境、社会環境、歴史的環境、宗教的環境によってことなる。したがって、特に、国際社会での理科(科学)教育に携わったり、外国から来た児童を扱かったりする者は、この違いを意識しながら、教育に当たるべきであることを提唱する。

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