著者
山本 道也
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.191-206, 2009-03

1992年3〜11月に行われた1旬につき2回,計54回の2.5Km-帯状センサスにより,茨城県竜ヶ崎市近郊(竜ヶ岡)では,7科43種2,457個体のチョウが目撃され,群集構造,種数個体数多様性,優占種の季節変化について解析が行われた。以下はその結果である。1.総目撃個体数6以上のチョウ32種の27の調査季節への個体数分布マトリックスに,群分析と主成分分析を併用して二つの群集と,二つの活動季節を分類した。2.3月上旬〜8月中旬には,モンシロチョウ>アオスジアゲハ>ァゲバ>コチャバネセセリ>コミスジ>ルリシジミが優占する全25種からなる春夏群集が成立していた。3.8月下旬〜11月下旬には,ヤマトシジミ>オオチャバネセセリ>キチョウ>ツバメシジミ>イチモンジセセリ>サトキマダラヒカゲ>キタテハが優占する全18種からなる秋群集が成立していた。4.総目撃種数総目撃個体数多様性値から判断して,調査地のチョウ群集は,1985年の落ち込みから回復し,調査初期の状態に戻ったと判断された。

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