- 著者
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山本 道也
- 出版者
- 流通経済大学
- 雑誌
- 流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.3, pp.15-30, 1994-01
1985年に行われた1旬につき2回,計49回の2.5Km-帯状センサスにより,茨城県竜ヶ崎市近郊(竜ヶ岡)では,7科41種2,329個体のチョウが目撃され,群集構造,種数,個体数,多様性,優占種の季節変化について解析が行われた。以下はその結果である。1.総目撃個体数5以上のチョウ29種の25の調査季節への個体数分布マトリックスに,群分析と主成分分析を併用して,四つの活動季節と,五つの群集を分類した。2.8〜11月中旬には,ヤマトシジミ>キチョウ>キタテハが優占する全13種からなる秋群集が成立していた。3.9月は,オオチャバネセセリ>イチモンジセセリが優占する全5種からなる初秋群集が成立していた。4.6,7月と9月は,モンシロチョウが優占する全6種からなる夏秋群集によって特徴づけられた。5.5〜7月はヒメウラナミジャノメが優占する全14種からなる初夏群集が成立していた。6.3月下旬〜4月はルリシジミが優占する全3種からなる春群集が成立していた。7.目撃総数が大幅に減少し,特に,初夏群集の後退が顕著であった。