著者
Aydan Omer
出版者
東海大学海洋学部
雑誌
海-自然と文化 = Journal of the School of Marine Science and Technology : 東海大学紀要海洋学部 (ISSN:13487620)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.19-38, 2008
被引用文献数
1

2004年12月26日のスマトラ沖大地震以来大きな災害をもたらした6つの大地震がインドネシアに発生した.2004年アチェー地震 (スマトラ沖地震) はこの世紀の強大地震の一つであり, その地震に伴って発生した強大津波によって20万人以上の犠牲が出た.インドネシアは3つのプレートが存在する地域に位置している.インドネシアを含む東南アジアの各国はGPS 観測網を設置している.リアルタイムGPS 観測は地震ハザード評価に関して大変重要であるが, これらのGPS観測網の大半はリアルタイムに地殻の変形を観測していない.著者はトルコ, 台湾や日本におけるGPS 観測網よりの観測データを用いて地震の危険性の高い地域とその時期の推定などについての研究を進めてきている.GPS 観測結果の評価と解釈について開発した手法を用いて地震が発生する地域の同定と発生時期の推定が可能であることを明らかにしている.本論文で開発した手法を用いてスマトラ島に重点を置きながらインドネシアにおける地殻のひずみ・応力変化を求め, その地震活動との関係や地震発生の危険性が高い地域について検討を行っている.また, スマトラ島沖およびスマトラ島内の内陸型地震の可能性を検討し, 近い将来発生する可能性が高いM8.7クラスの発生地域とその地震動を推定している.さらに, 地震とその津波災害を低減するため予防防災の観点から構造物の耐震補強と津波対策について提言している.

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