著者
杉本 知子
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.5-11, 2006
参考文献数
33
被引用文献数
2

本稿では,Rodgersの手法を用いて高齢者の長期ケアにおけるinterdisciplinary teamの概念構造を明確化した.文献データベースの検索等から48文献を分析し概念の先行要件,属性,帰結,さらに関連概念の検討を行い,以下の結果を得た.(1)概念の先行要件には,患者/クライアントの「ニーズの複雑化・拡大化」とそれを取り扱う専門職の「専門性の細分化・明確化」があった.(2)チームメンバーの属性にはチームメンバーへの「信頼」「理解」等が含まれ,チームの属性には「協働連携」「開放的なコミュニケーションの実施」等が含まれた.(3)概念の帰結はチームメンバーの協働連携に基づく相互作用によって導かれるものであり,ケアの提供者と対象者双方に有益性をもたらすものであった.(4)Interdisciplinary teamは患者/クライアントをチームの中心に据え,メンバー間の協働連携やコミュニケーションを重視した概念である.

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