- 著者
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鈴木 元子
- 出版者
- 静岡文化芸術大学
- 雑誌
- 静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.1-8, 2008
本稿では、『夏の夜の夢』や五月祭、および広場での笑いのシーンにバフチンのカーニヴァル的な笑いの理論を援用して、アメリカの代表的作家サナニエル・ホーソーンの"My Kinsman, Major Molineux"を新たに読み解くことを試みた。主人公ロビンの名前の起源には、春を告げる小鳥(ロビン)のほかに、『夏の夜の夢』のパックことロビン・グッドフェローや、ロビン・フッド伝説のロビンが考えられ、作品の文学世界はアメリカからイギリスへ、新大陸から旧大陸、そして中世へと広がる。この短編のクライマックスである広場に行列が通るシーンは、『夏の夜の夢』の劇中劇に触発された「ペイジェント」として、「演劇的な仕掛け」がこの作品にあることを論じた。