著者
関場 亜利果
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1-10, 2009-09-30
参考文献数
14

本稿の目的は現代キネティック・アートの動向を探る一環として,グルッポTの「ミリオラマ15」を報告する事である。グルッポTはイタリアのキネティック・アートを代表する作家で,彼らの活動「ミリオラマ」は開催順に番号が付けられている。第9回ミリオラマは東京で行われ,我が国に最も早く紹介されたイタリア戦後美術の一つである。今日までグループは正式に解散していないが,事実上1964年の第14回ミリオラマ以降は各メンバー個人の活動が中心となっていた。2008年,グループは長い休止期間を経て通算第15回目のミリオラマを開催した。これは近年の再評価の動向を受け,ヴァルモール美術スタジオが企画・開催したものである。本稿は「ミリオラマ15」について現地調査を行い,作品の特徴や現代におけるキネティック・アートの意義を考察した。その結果,グルッポTの作品と現代美術との共通点を明らかにした。また近年みられる再評価の背景として,インタラクティブ・アートなどのメディア・アートの先駆として注目されている事を確認した。

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こんな論文どうですか? グルッポTによる「ミリオラマ15」 : イタリアにおけるキネティック・アートの動向(関場 亜利果),2009 https://t.co/K3F73wpu8B
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