- 著者
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山本 学
- 出版者
- 一般財団法人日本海事協会
- 雑誌
- 日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
- 巻号頁・発行日
- no.252, pp.123-143, 2000
機関室火災の予防については、過去にIACS及びIMOにより規則強化が計られたほか、本会では1994年(平成6年)に「機関室火災の防止指針」を公表している。この「機関室火災の防止指針」では、1980年〜1992年の過去13年間にNK船級船73隻に発生した機関室火災の実態を調査・分析し、設計上及び保守・整備上の観点から火災事故防止対策の提言をしている。このように機関室火災の防止対策が採られた経緯があるにもかかわらず、依然として機関室火災による甚大な被害及び人身事故が、本会船級船において例年発生している。本稿は、これらの経緯で強化された規則及び本会の「機関室火災の防止指針」が、機関室火災の防止にどれだけ効果があったかを検証する目的で、1993年以降の機関室火災について取り纏めたものである。