著者
桑田 正明 佐々木 千一 鎌田 実 岩上 健
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.257, pp.237-243, 2001

船舶の機関室には火災探知器の設置が義務づけられているが、煙探知器においては、機関室内の気流の影響で探知器が有効に作動しない場合がある。発火源のほとんどが重油等の可燃性油であることから、本報では、探知器高さや気流影響を考慮して、重油燃焼時の煙探知器の作動特性を明らかにする。また、船舶の海上試運転時に実施される火災探知器の効力試験を想定し、重油燃焼の場合と同等と見なしうる発煙筒を用いた効力試験の方法についても述べる。
著者
Itagaki Hiroshi
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
Technical bulletin of Nippon Kaiji Kyokai
巻号頁・発行日
vol.2, pp.15-24, 1984-09

This paper discusses how to formulate the reliability analysis of an inspected structure to make the best use of the experience, taking into account the uncertain factors in inspection, proof-load test and statistical characteristics of random variables involved. Two typical cases are taken as examples; one in which basic information is avairable for the analysis including detailed output of NDI and another case where simple visual inspection is only source of data. For both cases, Bayesian method is applied. Monte Carlo simulation demonstrates the use of present method.
著者
山本 学
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.252, pp.123-143, 2000

機関室火災の予防については、過去にIACS及びIMOにより規則強化が計られたほか、本会では1994年(平成6年)に「機関室火災の防止指針」を公表している。この「機関室火災の防止指針」では、1980年〜1992年の過去13年間にNK船級船73隻に発生した機関室火災の実態を調査・分析し、設計上及び保守・整備上の観点から火災事故防止対策の提言をしている。このように機関室火災の防止対策が採られた経緯があるにもかかわらず、依然として機関室火災による甚大な被害及び人身事故が、本会船級船において例年発生している。本稿は、これらの経緯で強化された規則及び本会の「機関室火災の防止指針」が、機関室火災の防止にどれだけ効果があったかを検証する目的で、1993年以降の機関室火災について取り纏めたものである。
著者
Yasuda Kenji
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
Technical bulletin of Nippon Kaiji Kyokai
巻号頁・発行日
vol.1, pp.62-74, 1983-09

In this paper, a brief introduction is made on the newly developed high tensile hull structural steels produced by means of thermo-mechanical control process, mainly from viewpoint of the manufacturing process and performance features as well as of processing problems associated with the application of high tensile steels to ship hull structures in a large scale.
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.227, pp.91-101, 1994

平成5年10月18日付規則45号並びに平成6年3月2日付規則6号及び達10号にて改正された鋼船規則及び同検査要領D編の内容について解説したものである.主な項目は,キーレスプロペラの押込量規定,非常用発電機駆動用ディーゼル機関の保護装置に関する規定,焼却設備の適用に関する規定並びに押込試験に関する規定である.またこれに関し改正が行われた検査要領C編の耐氷構造のキーレスプロペラの押込量についても述べている.
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.234, 1996

改正された項目は,小型のガス,ケミカル船に対する交通口の寸法の軽減関連及び危険化学品ばら積船のハロン消火剤関連である.
著者
船舶管理システム審査室
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.247, pp.97-107, 1999

ISMコード(国際安全管理コード)は、近年ヒューマンエラーによる海難事故が頻発したことが契機となり、IMOにおいて船舶の安全と海洋環境の保護を目的とした幾多の審議を経て、1998年7月1日からSOLAS条約の強制要件として発効した。本会はこのような世界の動きに対応すべくISMコードに係る審査業務にいち早く取り組み、1992年以来船舶の運航と安全管理に関する調査を行うとともに、「船舶安全管理システム」規則を制定し、主任審査員が世界の各港で審査活動に従事している。条約が発効して8ヶ月が経過したこの機会に、今日までの審査業務を振り返り、本会が行ったISM審査の実情の報告を行い、また公表されたPSC検査における拘留船についての取り纏めと原因の分析を試みた。
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.234, pp.24-28, 1996

平成7年7月11日付で制定された総合火災制御設備規則について解説したものである.火災によるリスクを軽減する目的で備えられる総合的な火災制御設備に関して,関係者の便宜のために,一定の標準を示してその要件を取りまとめ,これに合致する船舶にはその旨を表示できるようにするものである.(平成7年8月1日施行)
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.231, pp.98-104, 1995

平成7年版鋼船規則及び同検査要領N編に収録された改正について解説したものである.改正された内容は,二元燃料ディーゼル機関及び二元燃料ボイラに関する技術基準の新設(平成6年4月1日施行),国際ガスキャリアコード(IGCコード)の第一回改正の鋼船規則N編への取り入れ(平成6年10月1日施行)及び二次防壁が要求されない貨物格納設備で貨物を運送する場合のホールドスペース等を通過するケーブルについての規定の見直し(平成6年9月1日施行)である.
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.227, pp.110-111, 1994

平成6年3月2日付にて改正された試験機規則について解説したものである.改正の内容は,平成3年に行われたIISの取り入れに関する改正時の見直し及びその後改正されたJISについての取り入れ等である.
著者
吉田 公一
出版者
一般財団法人日本海事協会
雑誌
日本海事協會會誌 (ISSN:02870274)
巻号頁・発行日
no.259, pp.177-184, 2002

海上人命安全条約(SOLへS)第II-2章構造(防火並びに火災探知及び消火)は永年にわたって全面的な見直しが行われ、改正された新第II-2章が2002年7月1日に発効することとなった。本解説は、第II-2章全面見直しにわが国を代表して終始深く関わってこられた独立行政法人海上技術安全研究所の吉田公一氏に依頼して、同条約改正の経緯について執筆して頂いたものである。(編集者)